牛や馬は草しか食べてないのに、どーして肉や脂肪ができるの?
と聞かれたら何て答えますか?
「………。」
その答えが腸内細菌です。
牛や馬が食べた草は、牛や馬の腸内にいる腸内細菌の善玉菌が食べて、肉や脂肪の材料を作り出しているのです。
その腸内細菌が作った材料を牛や馬は栄養として吸収して、でっかい体を作っています。
牛乳まで出しちゃいます。
つまり、腸内細菌がいないと牛も馬も生きられないのです。
人間も同じです。
腸内細菌がいないと生きていけません。
人の口から胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門までくねくね曲がってはいますが、一本の管です。
これが消化管と呼ばれていて、長さが約10メートル、むりやり広げると、テニスコート一面分もあるそうです。
この消化管の壁に、びっしりと住んでいるのが腸内細菌です。
とても不思議ですが、人間は細菌と共生しているんです。
人の食べたものを腸内細菌も食べて増えています。
そして、人に有益なものを作ってくれています。
腸内細菌無しでは人は生きられなし、人が食べ物を食べないと、腸内細菌も生きていけません。
腸内細菌の大きさは0.3~5ミクロン。小さすぎて見えません。
(1ミクロンは1mmを1000等分した大きさです。)
種類は100~300種類といわれていましたが、研究が進むにつれて、今では1000種類はいるといわれています。
そして、数が100兆個!
(匹のほうがいいと思いますが)
総重量は1~1.5kgもあり、脳や肝臓の重さと同じぐらいです。
ちなみに人間の細胞の総数は約60兆個ですから、それよりも多いんです。
そんな数の生き物が自分の体の中に住んでいるなんて、想像できませんよね。
だって、見えないんですから。
それに「細菌」と聞いただけでちょっと怖くなりますよね。
でも、「人間は微生物に守られて生きている。」と聞いて、信じられますか?
人は腸内だけではなく、口や皮膚なども細菌で守られているのです。