人が食べた食物を腸内細菌も消費する、
(約20%は腸内細菌の消費カロリー)
だから、腸内細菌が元気だとダイエットにつながります。
これが前回の説明でした。
さらに、動物の実験結果によって、それ以上のダイエット効果があることがわかっています。
養鶏や養豚などの養殖では、エサの中に抗生物質を混ぜています。
病気の予防として使われているのですが、抗生物質を与えた動物は太ります。
これは、抗生物質によって、病原菌だけではなく、腸内細菌も死滅したり、増殖が抑えられてしまうので、腸内細菌の数が極端に少なくなっていて、本来であれば腸内細菌が消費する分のカロリーが、動物に吸収されて、より太るのです。
ここで不思議な事がおこるのですが、腸内細菌が消費するカロリーは、全体の20%ほどなのに、体重は約30%も増えるのです。
そこで、無菌状態で育てたマウスと通常のマウスを比較する実験を行いました。
無菌状態で育てたマウスには腸内細菌がいません。
その結果、通常のマウスは、無菌マウスの約1.4倍ものエネルギーを消費していることがわかったのです。
腸内細菌は、食べ物を消費するだけではなく、動物の体内を活性化して、消費されるエネルギーを増大させていると考えられるのです。
腸内細菌を増殖させることによって、腸内細菌の消費カロリーを増加させることができると同時に、人間の各臓器が活性化されて、人間が消費するエネルギーが増大する。
これが、腸内細菌によるダイエットで、無理なく健康的なダイエットです。