コレステロールを排除する腸内善玉菌2

過剰にとったコレステロールを体内に蓄積するのを抑え、排除する働きのある腸内細菌が人間の腸内細菌から発見されています。

エンテロコッカスフェカリスAD101と名付けられた腸内細菌です。

「名付けられた」とありますが、細菌の名前は、その菌を発見した人が名付けることができます。

「エンテロコッカス・フェカリス」ここまでは学術的な分類名で、細菌の種類を表しています。

その後の「AD101」が菌の個体名で、発見者に命名権があり、特許も取得できます。

細菌は種類や個体によって能力が違い、人間にとって有用な菌を発見するために、世界中で競争が行われています。

AD101菌の発見は、血清コレステロール値が高い人と、低い人の腸内細菌の調査から始まりました。

血清コレステロール値の低い人には、特定の腸内細菌が多く存在していることがわかり、その菌が「AD101」だったのです。

AD101は、体内に取り込まれた糖を分解して、多量の乳酸や酢酸を作り出します。

ウサギを使った動物実験では、正常なウサギを2つに分けて、片方にコレステロールの高いエサだけ、もう片方には、コレステロールの高いエサとAD101菌を一緒に与えました。

約3ヶ月つづけた結果、コレステロールの高いエサだけを食べていたウサギの体には、至るところにコレステロールが蓄積されていたのですが、コレステロールの高いエサと同時に、エンテロコッカスフェカリスAD101を与えられていたウサギの体には、コレステロールが貯まることがなく、正常食のウサギと同じような状態でした。

このような腸内細菌が、私たちの腸の中にたくさん存在すれば、心臓病や脳卒中などに代表される生活習慣病が予防できるということです。

 

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