腸内細菌がコレステロールを排除する仕組みを説明します。
コレステロールが体内に蓄積するのを抑え、排除する働きのある腸内細菌、エンテロコッカスフェカリスAD101の投与による実験結果です。
まず、AD101株菌の投与で、胆汁内のコレステロール量が約2倍に上昇しました。
そして、腸内に排出された胆汁が再び肝臓に戻る量が減り、体外へ排出されました。
もう少し詳しく言うと、
胆汁は肝臓で絶え間なく作られる液体で、腸内に送られ消化の手助けをします。
胆汁にはコレステロールが含まれているので、胆汁量が増えるということは、胆汁に使われるコレステロールが増え、血中コレステロールがその分減るということです。
さらに、
腸内に分泌された胆汁は、再び吸収されて肝臓に戻り再利用されるのですが、AD101株菌投与後は再吸収されずに、排便として排出されました。
腸内細菌は、コレステロールを腸内で吸収されない形に変換することによって、過剰なコレステロールの体外への排出を促進しています。
つまり、腸内細菌の働きによって、コレステロールの利用量と排出量が増えるということが証明されているのです。
高脂血症の傾向があるボランティアの協力で調査したところ、便中の腸内細菌(エンテロコッカス)の数が増えると、血中コレステロール値が低下・改善されることがわかりました。
腸内細菌とコレステロール値には、相関関係があるのです。