免疫」タグアーカイブ

腸内細菌と酵素3

前回(腸内細菌と酵素2)で、
酵素は特定の器官で作られるのではなく、体のほとんどすべての細胞が、必要に応じて必要とする酵素を自ら作っていますと説明しましたが、

腸内細菌も酵素を作っています。

最新の研究によれば、腸内細菌が作る酵素の種類は、人間が作る酵素の150倍で、体の中で作られている酵素よりも腸内細菌が作っている酵素のほうが、種類も量も多いことが解ったそうです。

腸内細菌が作る酵素は、人の酵素では分解しきれなかった食べ物を分解したり、毒素を無毒化したり、老廃物の排泄を促進したりと、さまざまな働きを体内で行っています。

例えば、
野菜などに含まれる食物繊維(セルロース)などの多糖類の多くを人の酵素では分解できないのですが、
腸内細菌が生み出す酵素が多糖類を分解してくれるおかげで栄養素として吸収することができます。

海藻類や大豆イソフラボンも人の酵素では分解が難しく、腸内細菌が作った酵素が分解してくれています。

腸内細菌とビタミン」で解説したビタミン群も、腸内細菌が作る酵素が合成して作り出しています。

このように、腸内での栄養の吸収や栄養素の合成は、腸内細菌による酵素が活躍しているのです。

また、腸内細菌が作る酵素によって、免疫を促進する働きをする成分を作ったり、アレルギー反応など、免疫の過剰反応を抑える成分を作ったりと、免疫機能のバランスを保っています。

腸内細菌が多ければ多いほど、体内の酵素がより豊富になり、多くの働きが期待できますが、

腸内細菌が少なければ酵素不足になり、分解されないものが体内に増え、栄養の合成や吸収が少なくなったり、免疫機能のバランスが崩れたりします。

腸内細菌を増やす生活が大事ですね。

Pocket

腸内細菌とガン2

がん細胞を攻撃するはずの免疫系が、なんらかの影響で弱まることで、がんになってしまう。

つまり、免疫力が弱くなったときに、がんを抑えられなくなってしまう。

免疫力を低下させる最大の原因は老化です。

加齢により全身の機能は低下し、ともに免疫系の力も衰えていきます。

ということは、加齢でなくても体の機能を低下させるものは、すべて免疫力を低下させるということです。

ちょっと考えてみてください。
体の機能を低下させるもの。

不規則な生活、睡眠不足、運動不足、喫煙、飲酒、ストレス、疲労、食品添加物、栄養バランスの乱れ、大気汚染、環境ホルモン、農薬、

嫁のグチ…。

他にもたくさんありますよね。

長期間の服薬なども、免疫力を低下させるそうです。

ここでやっと本題なのですが、

上記の免疫力を低下させるものすべて、腸内細菌の善玉菌を減らし、悪玉菌を増やす原因と一緒です。

悪玉菌が増えると、悪玉菌の出す毒素が血液とともに全身に回り、各器官を痛め、機能を低下させます。

機能が低下すると免疫力が弱くなる。

腸内細菌とガンが、密接な関係にあることがわかりますね。

前回(腸内細菌とガン)、がんの死亡数・死亡率は、男性では第1位が肺がん、第2位が胃がん、女性では第1位が大腸がん、第2位が胃がん、とありましたが、

大腸がんは便秘と関係があると言われています。

便秘により悪玉菌が増え、悪玉菌が出す発がん物質などの毒素が直接大腸に悪影響をあたえ、大腸がん・大腸ポリープなどができます。

そして、さらに重要なことは、腸は最大の免疫器官だということです。

腸には、口から様々な病原菌や有害物質が入ってくるので、それと戦う免疫細胞が集中しています。

その免疫細胞を活性化させる働きが、腸内細菌にあることがわかっています。

また、発がん物質を分解し、無害化している善玉菌も発見されています。

腸内細菌を善玉状態に保つことが、がん予防にもなるということです。

 

Pocket