腸内細菌」カテゴリーアーカイブ

過剰な塩分を排除する腸内細菌

世界の中でも日本人は塩分を多量にとる国民です。

塩分のとりすぎは、高血圧の原因となり、脳卒中と関係があると言われています。

実際に、厚生労働省の調査では、塩分の摂取量が多い地域で脳卒中の発生率が高くなり、塩分の摂取量が少ない地域で脳卒中の発生率が低いことがわかっています。

また、日本人に胃がんが多いのは、塩分の多い食生活と関係があるとも言われています。

健康のためには、減塩を心がけると同時に、優秀な腸内細菌を育てることがとても大事になります。

なぜなら、余分な塩分を排除する腸内細菌が人間の体の中には存在するからです。

ここで、ラット(ねずみ)の実験結果紹介します。

塩分を含む普通のエサだけを与えたラットのグループと、同じエサと腸内細菌(AD株)を与えたラットのグループの飼育結果です。

両方のグループの尿と糞をすべて採取して比較したところ、糞の量と、糞に含まれるナトリウム(塩分)の量が、エサのみのラットでは、糞便量11.0g、塩6.5mgでしたが、エサと腸内細菌を与えたラットは、糞便量12.3g、塩9.1mgとなり、糞便量・塩の排泄量ともに、腸内細菌を与えたことで増加しました。

腸内細菌は、とりすぎた塩分を体内に吸収するのを防ぎ、体外に排出する働きを持っていることがわかります。

このような腸内細菌が多く存在すれば、高血圧の予防にもなることがわかります。

腸内善玉菌を増やす生活を心がけましょう。

 

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コレステロールを排除する腸内細菌3

腸内細菌がコレステロールを排除する仕組みを説明します。

コレステロールが体内に蓄積するのを抑え、排除する働きのある腸内細菌、エンテロコッカスフェカリスAD101の投与による実験結果です。

まず、AD101株菌の投与で、胆汁内のコレステロール量が約2倍に上昇しました。

そして、腸内に排出された胆汁が再び肝臓に戻る量が減り、体外へ排出されました。

もう少し詳しく言うと、

胆汁は肝臓で絶え間なく作られる液体で、腸内に送られ消化の手助けをします。

胆汁にはコレステロールが含まれているので、胆汁量が増えるということは、胆汁に使われるコレステロールが増え、血中コレステロールがその分減るということです。

さらに、
腸内に分泌された胆汁は、再び吸収されて肝臓に戻り再利用されるのですが、AD101株菌投与後は再吸収されずに、排便として排出されました。

腸内細菌は、コレステロールを腸内で吸収されない形に変換することによって、過剰なコレステロールの体外への排出を促進しています。

つまり、腸内細菌の働きによって、コレステロールの利用量と排出量が増えるということが証明されているのです。

高脂血症の傾向があるボランティアの協力で調査したところ、便中の腸内細菌(エンテロコッカス)の数が増えると、血中コレステロール値が低下・改善されることがわかりました。

腸内細菌とコレステロール値には、相関関係があるのです。

 

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コレステロールを排除する腸内善玉菌2

過剰にとったコレステロールを体内に蓄積するのを抑え、排除する働きのある腸内細菌が人間の腸内細菌から発見されています。

エンテロコッカスフェカリスAD101と名付けられた腸内細菌です。

「名付けられた」とありますが、細菌の名前は、その菌を発見した人が名付けることができます。

「エンテロコッカス・フェカリス」ここまでは学術的な分類名で、細菌の種類を表しています。

その後の「AD101」が菌の個体名で、発見者に命名権があり、特許も取得できます。

細菌は種類や個体によって能力が違い、人間にとって有用な菌を発見するために、世界中で競争が行われています。

AD101菌の発見は、血清コレステロール値が高い人と、低い人の腸内細菌の調査から始まりました。

血清コレステロール値の低い人には、特定の腸内細菌が多く存在していることがわかり、その菌が「AD101」だったのです。

AD101は、体内に取り込まれた糖を分解して、多量の乳酸や酢酸を作り出します。

ウサギを使った動物実験では、正常なウサギを2つに分けて、片方にコレステロールの高いエサだけ、もう片方には、コレステロールの高いエサとAD101菌を一緒に与えました。

約3ヶ月つづけた結果、コレステロールの高いエサだけを食べていたウサギの体には、至るところにコレステロールが蓄積されていたのですが、コレステロールの高いエサと同時に、エンテロコッカスフェカリスAD101を与えられていたウサギの体には、コレステロールが貯まることがなく、正常食のウサギと同じような状態でした。

このような腸内細菌が、私たちの腸の中にたくさん存在すれば、心臓病や脳卒中などに代表される生活習慣病が予防できるということです。

 

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コレステロールを排除する腸内細菌

・過剰なコレステロールを排除する
・過剰な塩分を排除する
・砂糖を吸収できないような形にする

そのような働きをする腸内細菌がいます。

コレステロールを排除する腸内細菌が、人間の腸内細菌から見つかっています。

まずは、コレステロールとは?

コレステロールは体内に存在する脂質の一つですが、悪者のように受け取られていますよね。

しかし、悪者どころか、コレステロールなしでは人間は生きられないのです。

コレステロールは、細胞膜や神経、ホルモン合成、脂肪の消化に必要な胆汁酸の原料などに関わる物質で、とても重要です。

特に、細胞膜の材料なので、コレステロールが不足すると、細胞の膜が薄くなり、ウイルスなど外敵の攻撃に弱くなります。

コレステロールは、脳、神経系、筋肉などの重要な器官に多く蓄えられていて、皮膚や心臓など、その部分に見合う量のコレステロールが分布しています。

体重70kgの成人男性の場合、約140gのコレステロールが体内に存在しているそうです。

たったの0.2%。

意外と少ないんだな、と思いませんか?

そして、コレステロールと脂肪は違います。

どちらも生命を維持するためには欠かせない脂質なのですが、

中性脂肪は、生命維持活動のエネルギー源であり、脂肪細胞に蓄えられて、飢餓に備えます。

一方、コレステロールですが、大部分が肝臓で製造されているのです。

1日に必要な量の約70~80%が、肝臓で合成され作られています。

食べ物からは、20~30%、1日に約100~400mgのコレステロールが摂取されます。

HDLを善玉コレステロール
LDLを悪玉コレステロール
といわれていますが、どちらも体には必要です。

多くなると体に良くないので、悪玉と呼んでいるだけです。

腸内細菌と同じですね。

HDL(善玉コレステロール)は、体内の組織から、余分なコレステロールを受け取り、肝臓に運び、回収する働きをしています。

LDL(悪玉コレステロール)は、血管を通じて、体の各組織に必要なコレステロールを運ぶという重要な働きをしています。

ですので、LDLが少ないのも問題なのです。

血中コレステロール濃度が異常に高いと、健康上問題があり、少なすぎても健康に支障をきたすことになります。

コレステロールの少ない人は、肺炎や結核等の感染症にかかりやすくなったり、血管壁が弱くなり、脳出血などが起こりやすくなります。

血中コレステロール濃度は、高すぎても低すぎても問題があるということです。

健康な体では、コレステロールの量が一定に保たれますが、年をとるとコレステロールをコントロールする機能が衰え、体内のコレステロールの量が増加する傾向にあります。

コレステロールは、体のために必要な脂質ですが、過剰に摂取すると体に良くないということです。

しかし、最低限のコレステロールを摂取して、コレステロールの過剰摂取を止める、そんなのよくわかりませんよね。

そこで、
腸内細菌に助けてもらいましょう。

過剰にとったコレステロールを、体内に蓄積するのを抑え、排除する働きのある腸内細菌が、人間の腸内細菌から発見されています。

 

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腸内細菌と動脈硬化3

動脈硬化と腸内細菌の密接な関係。

動脈硬化を加速させない生活と悪玉菌を減らし善玉菌を増やす生活は一緒でしたね。
腸内細菌と動脈硬化2

以前(善玉菌と悪玉菌)説明しましたが、悪玉菌が増えることによって引き起こされる病気や症状に、高脂血症、動脈硬化、高血圧などがあります。

悪玉菌が増えると動脈硬化は加速します。

逆に、腸内細菌を善玉状態に保つことにより、動脈硬化の進行を遅らせることができるのです。

善玉菌自体の力で、動脈硬化を予防できるのです。

善玉菌の主な働きをおぼえていますか?

腸内善玉菌は、
栄養分の腸からの消化吸収を助ける。
有害物質を分解して捨てる。
ビタミンを作り出している。
腸の状態を整える。(整腸)
大腸がんの予防。
免疫力の活性化。
血圧の抑制。
コレステロールの排出。
ホルモンを作る。
酵素(エンザイム)を作る。
腸内のpHを安定させる。
代謝を高める。
アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーを軽減する。
などの働きがありますが、動脈硬化に関連しているものとして、

過剰なコレステロールを排除してくれる腸内細菌が居ます。

過剰な塩分を排除してくれる腸内細菌が居ます。

砂糖を小腸から吸収できないような形にしてくれる腸内細菌が居ます。

これから、少し詳しく上記の腸内細菌の説明をします。

 

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