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腸内細菌と便秘5

便秘の原因には4つのパターンがあると前回説明しました。

1.食事性の便秘
2.弛緩(しかん)性の便秘
3.直腸性の便秘
4.痙攣(けいれん)性の便秘

便秘解消には、自分のパターンを把握して、原因を取り除く取り組みが必要です。

食物繊維を意識して食べたり、腹筋運動やストレッチ、ウォーキングに、ツボ押しやマッサージ、呼吸法など、自分に合った対策を見つけて下さい。

また、自覚がないストレスが原因で便秘になっている場合もあるので、軽い運動や入浴法、瞑想など、自律神経を整えるリラックス方法を試してみることも必要です。

そして、すべてに共通する便秘解消法が、腸内細菌を善玉状態にすることです。

腸内善玉菌は、人間の腸内で乳酸や酢酸(サクサン)といった酸を作り出します。

この酸で腸が刺激されることにより、ぜん動運動(消化管が順次くびれ、内容物を移動させる運動)が活発になり、便が肛門まで運ばれます。

また、この乳酸や酢酸によって腸内が酸性になると、アルカリ性の環境を好む悪玉菌の増殖が抑えられるのです。

逆に、悪玉菌が増えると、腸内に有毒ガスや有害物質が発生し、ぜん動運動が妨げられ便秘が悪化。
有害物質で腸内がアルカリ性になり、ますます悪玉菌が増え、それにともない便秘もさらに悪化、という悪循環になってしまいます。

便秘対策は、「腸内細菌を善玉状態に!」が基本です。

腸内細菌の状態が便秘と大きく関係していることを忘れないでください。

 

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腸内細菌と便秘4

便秘による有害物質発生と免疫力低下が「便秘は万病の元」といわれる原因です。

便秘解消が健康への道なのですが、毎日スッキリ!がなかなか難しいのは、便秘の原因が単純ではないからです。

便秘の原因には4つのパターンがあるといわれています。

1.食事性の便秘

主にダイエットによる便秘です。

痩せようと思って食事量を減らすと、便(うんち)の材料が減ります。
食物繊維も不足し、食事から摂っていた水分も減るので、便が硬くなり排出されにくくなります。

2.弛緩(しかん)性の便秘

(弛緩=ゆるむ・たるむ)大腸の筋力が低下して、便を押し出す力が弱くなるために、便が排出されにくくなる。

運動不足や加齢が原因で、腹筋が弱い高齢者や女性に多く、日本人に最も多いタイプの便秘です。

3.直腸性の便秘

直腸とは、大腸の肛門に近い部分で、肛門から約20㎝の腸のことです。

この直腸に便が入ると、脳に便意(大便がしたいという感覚)が伝わるのですが、この便意を我慢し続けると、直腸に便がある状態に慣れてしまい、便意を伝える神経の働きが衰えて、便の排出が難しくなります。

また、下剤や浣腸の使い過ぎでも、薬の副作用によって、直腸の神経が鈍ってしまうことがあります。

4.痙攣(けいれん)性の便秘

精神的ストレスや疲労が原因で、自律神経のバランスが乱れ、大腸の収縮が過度に活発になり、けいれんしたような状態になります。

そのため、便が正常に押し出されずに、逆流して戻ってきたりすることにより、正常に排便されなくなる便秘です。

便秘だけでなく下痢も繰り返したりする特徴があります。

 

便秘の原因にはこのようなパターンがあるのですが、その他にも大腸がん・大腸ポリープ・腹膜炎・腸閉塞・腸捻転・潰瘍性大腸炎・子宮筋腫・卵巣のう腫などの病気が原因の便秘もあります。

ある日とつぜん便秘になり、なかなか改善しない場合は、病気が原因の可能性もあるので、すぐに病院で受診をしてください。

便秘の原因を見きわめて対策することが必要になりますが、便秘を放置することが、大変危険なことだということを知ってください。

 

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腸内細菌と便秘3

便秘によって、腸内細菌悪玉菌が便を腐敗させて、有害物質が発生する。

その有害物質が腸から吸収され血液に入り、全身に回って病気や不調の原因になる。

前回説明したのは、有害物質による直接の症状ですが、今回は、間接的なリスクを説明します。

それが、「免疫力低下」です。

腸内細菌教室では、「腸内細菌とガン」で解説しましたが、腸は免疫機能を持った器官なのです。

免疫とは自然治癒力のことで、体内に侵入した細菌やウィルスなどの病原菌・有害物質を排除する能力、がん細胞などの変質した異物を攻撃し排除する能力です。

また、異物と反応する抗体を作って発病をおさえる抵抗力を持つことです。

この免疫システムの約60~70%が腸に集中しているといわれています。

腸には外部から食べ物とともに、多くの病原菌やウィルスが侵入します。

それらの外敵から防御する仕組みが免疫システムなのですが、その中の1つである白血球(免疫細胞)の6割が小腸の内壁に集結しています。

腸内細菌と免疫系は、腸内で共生しているのです。

バランスがとれた腸内細菌叢(腸内フローラ)が、腸管の免疫系を適切に活性化することで、
健康が維持されていることがわかっています。

逆に、便秘などにより腸内環境が悪くなると、共生関係のバランスが崩れ、免疫力が低下してしまいます。

そして、免疫力が低下すると、風邪を引きやすくなり、インフルエンザなどのウイルス感染も起こりやすくなってしまいます。

他にも、
大病になりやすい、
アトピーや花粉症などのアレルギー、
肌荒れ、
疲れやすい、などなど、
体の防衛力が弱くなることにより、さまざまな症状が出てきてしまうのです。

もちろん、ガンを防ぐ力も弱くなります

便秘が大病につながってしまうことを知って下さい。

 

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腸内細菌と便秘2

前回は、便秘と相関関係がある病気・症状を紹介しました。

便秘は万病の元」と言われる訳を説明します。

便秘とは、腸内に長く便がとどまることですが、大腸内で便の滞留時間が長いと、腸内細菌の悪玉菌が便を腐らせます。

腐敗した便からは、アンモニア、硫化水素、発がん性物質などの有害物質が発生します。

腐敗便が発したそれらの有毒な物質が、腸から吸収されて血液内に入っていきます。

血液に入ってしまった有害物質は、血の流れとともに全身に回っていき、病気や不調の原因となるのです。

例えば、有毒物質が皮膚にまわると、吹き出物やシミなど、肌トラブルの原因になりますし、腐敗臭が皮膚から排出されれば体臭に、肺から排出されれば口臭の原因となります。

この腐敗臭は、便から発生したものなので、便秘による体臭・口臭は、便臭(うんちの臭い)に似た悪臭を発します。

また、大腸がんなどは、便の腐敗による有毒ガス・有害物質が腸の粘膜を刺激することによって引き起こされるとも言われています。

頭痛や肩こりで悩んでいる方も、便秘が原因である場合があります。

腐敗便から出された毒素が、腸から吸収され血液に入り体に回って、肩や背中、腰などの筋肉に溜まり、筋肉が緊張することにより、肩こり、腰痛を引き起こします。

そして、筋肉が緊張し血流が悪くなるので、脳に循環する血液量も少なくなります。

脳に流れる血液量が少なくなると、脳の血管がストレスを感じ、周囲にある神経を刺激することで、頭痛やめまいを引き起こします。

このように、便秘による腐敗便の発した有害物質は、血液に入って全身に運ばれることで、万病の元になってしまうのです。

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腸内細菌と便秘

便秘で悩んでいる人は非常に多いです。

厚生労働省の調査では、20~40代女性の半数以上は便秘で悩んでいますし、50代頃からは、男性便秘も増えて、高齢になると便秘は男女ともに共通の悩みとなるようです。

女性に便秘が多いのは、女性が男性よりも骨盤が広いため、腸が骨盤内でたるみやすく、大腸内で便の滞留時間が長くなり、その結果、便が硬くなり、便秘になりやすい傾向があるようです。

また、女性のほうが便を排出する筋力が弱いことも影響しているようです。

便秘とは、便通の回数が少ない、便が硬い、便の量が少ない状態のことです。

しかし、便秘は病気ではないので、定義が決まっていません。

何日出なかったら便秘という基準がないのです。

1日1回出なかったら便秘、と言うお医者さんもいますし、3日に1回でも、それが習慣になり、苦痛がなければ便秘ではない、というお医者さんもいます。

逆に、1日1回ほどの排便があっても、量が少なく、残便感があるような場合や、いきまないと出ないような場合は、便秘と考えられています。

便秘は病気ではありませんが、便秘から引き起こされる病気や、病気が原因で便秘になることもあります。

便秘に関連する病気・症状としては、
痔・ニキビ・吹き出物・肌荒れ・じんましん・アトピー・アレルギー症状・肝臓がん・乳がん・大腸がん・大腸ポリープ・大腸憩室炎・クローン病・腸閉塞・腸ねん転・過敏性腸症候群・動脈硬化・自律神経失調症・子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症・逆流性食道炎・胆石症・尿路結石・膠原病・糖尿病・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・高血圧・頭痛・肩こり・冷え性・むくみ・体臭・口臭・疲労感・倦怠感・不眠症・無気力・肥満などなど。

便秘と相関関係にある病気や症状がこれほどあるのです。
(まだまだあります)

便秘は万病の元」と言われており、いくら健康だと思っていても、便秘を放置していると大変なことに繋がりかねないということです。

健康のことを考えれば、「便は体に貯めない」ことがとても大事で、1日1回以上をめざしましょう。

 

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